餓狼伝 Breakblow
PS2/格闘/2005
システム 演出 現在
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ゲーム内容について

--- システム的な解説 ---

既存の3D格ゲーとは根本的に違う点が斬新。
基本の動きは、前後に、奥と手前の(それらの斜めとの)8方向。ジャンプ、しゃがみは無い。

下段(脚)へのダメージや関節技は肉体ゲージの上限を減らし、
中段(ボディ)は肉体ゲージを減らし、
上段(頭部)や投げ技は勝敗に関わる精神ゲージを主に奪う。

空中コンボは無く、肉体ゲージ残量により大きくよろめいた時に、
多段コンボが成立したりする。

また、このテのリアル系格闘ゲームでは、関節技などは一発KOの場合が多いが、
この点は、3D格ゲーと同じ「ダメージ制」となっているし、リアルではありえない、吹っ飛ぶ攻撃もある為、
UFCなどのスポーツ系格闘ゲームと、3D格闘ゲームの良いところを上手く合わせた仕上がりとなっている。

で、最も特徴的な点が、原則、攻撃中に相手の打撃を受けても、技が中断しない点である。
(強制的に中断させる・・・というか、自前が必ず勝つ、技は少し有る)

喰らい側の肉体ゲージが少ないと、打撃を受けたときによろめき、技が中断するので、
ローキックなどで、相手の肉体ゲージを地道に削る戦術もアリ。
寧ろ、長期戦を想定するなら前半は肉体ゲージ削りに徹するのは基本である。

前後のダッシュ、ステップが無い為(一部のキャラの固有技としてはある)、間合いの取り方も丁寧に行う必要がある。
移動技が無いキャラが密着状態になると間合いを空けるに苦労する。

基本技の基本が、

パンチボタンが

P 左フック系 /  P 右フック系

(ニュートラル)P 左ジャブ系 /  P 右ストレート系 

P 左ボディ系 /  P 右ボディ・アッパー系

となり、

キックボタンが

K 左ハイ系 /  K 右ハイ系

K 膝蹴り系 / K 左前蹴り系 /  K 右ミドル・廻し蹴り系

K 左ロー系 /  K 右ロー系

となっている為、
打撃のベクトルがわかりやすく、単発技も利用価値が有る。
一発一発の打撃が比較的重みのある為、単発でも決まると爽快ではある。

レバーニュートラル時は全ての打撃をガードできるオートガード状態な為、
相手のラッシュ時にレバーニュートラルで防御に徹する事も出きる(削り有り)

露骨にレバーニュートラルガードをする相手には、横や背後から攻撃すればよいので対処法もある。
(背後や横からの攻撃はガードも投げ抜けも出来ない)

ので、逆に移動の一瞬(レバーを入れるためガードが解ける)を狙った打撃もあり。

--- 注意?事項 ---

キャッチコピーが、「殴られながら殴れ」とあるように、
原則、攻撃中に相手の打撃を受けても、技が中断しない。

その為、相手のラッシュ、連繋中にジャブ、しゃがパンなどで割り込む、
といった格ゲーの基本の一つはこのゲームでは通用しない。

よって、初期プレイ時は、単なる殴り合いになってしまい、基本性能が高いキャラが性能勝ちしてしまうが、
技の性質がわかってくると、急に面白さが増す。

また、投げ抜けもゲームに慣れると容易に(反射的に投げ抜け入力できるように)なる為、
投げ技(組み技)の使い方も初期プレイと全く違うモノとなる。

キャラ性能や相性はやや極端なので、
対人で真剣勝負をする際は、相性が極端でないキャラ同士の方が面白い。
(コレはアーケードでないから許される設定ではあるが・・・)
相性が極端にならないキャラの組み合わせはいくらでもあるので、問題無し。

--- かなり?重要な事項 ---

既存の3D格闘ゲームのシステムを期待している人は楽しめない・・・というより、ジャンルが違うと思った方がよい。
無論、2D格闘とも別モノ。

「浮かせ技から空中コンボで大ダメージ」は、本作には一切無い。
(ただし様々な要因からコンボ成立が発生し、コンボで大ダメージは有る)

原則、ダッシュやステップも無く、
そもそも相手のラッシュ、連繋中にジャブやしゃがパンで割り込むといった概念が無い為、
攻守がハッキリ分かれるスピーディーな展開は起きない。

初期プレイ時は「タコケンのコンビネーションの嵐かつ奥義だしとけ」な状態となるだろうが、
最終的には技の一つ一つを丁寧に出す類のゲームなる。

各一回しか使えない奥義も「使わずに取っておく」事が重要な戦術となり、
逆に「相手に先に使わせる」事もしかり。

見た目が大味っぽく、その実、緻密。

対人戦で「してやったり感のある満足できる対戦」をする為には、互いにそれなりの熟練度が要求される。少なくともシステムの理解。
(餓狼伝ファン同士で気楽にプレイなら別だが)

おそらくはここらへんが、人によって「傑作」「好評価」或いは「クソゲー」扱いされる点であろう。

--- まとめ ---

餓狼伝のファンじゃないと極端にトッツキニクイ・・・が、
ゲーム内容は練ってあるため、「リアル系格闘ゲーム」ファンなら楽しめる要素は大いにある。

因みに自分は、2D格闘は好きだし、バーチャファイター4も好きであり、
武力ONEも期待していたし、
この餓狼伝も楽しめている。

***
対人戦に関してはまだ鬼のようにこなしてはいないので、相性などに関しては発展途上である。
明らかな規格外キャラ以外での、強力な「この技」「この戦術」のみの使用で試合にならないなら
「対戦ツール」として失格だろうが、今のところ問題はない。

無論、強力な技や戦術はそれなりにあるが、わかっていれば対応はできる為、「試合にならない」ことはない。

感覚としては、隠し最強キャラ1名と明らかなザコ2名を除けば、他全員がそれなりに戦える。
ただし、その中でも弱い部類に入るキャラはいるし、相手によってはかなり辛い相性もある。
が、「一人のキャラが他全員に対し決定的に不利」という事はないので、許容範囲である。

「一人のキャラが他全員に対し五分か有利」は数名いるが、格闘ゲームとして普通のことなので特に問題はない。


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